11月末の高桐院。楓の庭。

公開日 : 2015年11月26日
最終更新 :
筆者 : Akio

十一月初めの頃は、晴れの日が続いていたのに

月の半ば頃から今日まで、曇りや雨の日が多くなっています。

連休後の高桐院。

真っ直ぐに伸びる参道も、晩秋の景色となっています。

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晴れていたら、もっと木々の彩りが映えるのにと・・・

思いますが、お天気だけは仕方がありませんね。

高桐院と言いますと戦国時代を生きた細川忠興と、

その妻ガラシャが眠る細川家の菩提寺。

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そして、高桐院の書院は、千利休の邸宅を移築したもの。

千利休は(1522年~1591年)、織田信長と豊臣秀吉に仕えて

信頼を得ますが、最後は秀吉の逆鱗に触れ、

切腹を命じられています。

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無駄な虚飾を避け、わびさびの世界を追求した利休と、

桃山文化に見られる絢爛豪華な世界を好んだ秀吉とでは、

相容れないものがあったのかも知れませんが、

改めて戦国の厳しさを思います。

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高桐院は京都観光の中でも人気の寺院で、年間約6万人が訪れる

参拝者の1/3が、11月の1ヶ月間に集中します。

先日の三連休にも沢山の人が参拝されたでしょうね。

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高桐院の紅葉の今は、見頃を迎えた楓が美しいです。

それと共に、地上に舞い落ちた

「散りもみじ」も美しいです。

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高桐院と言いますと、この景色。

楓の庭と石灯籠ですね。

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楓の庭に見える「散りもみじ」を見ていると、

作家・村上春樹さんが、かつてお話しされていた

カタルーニャでのスピーチを思い出します。

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言葉は・・・

「日本語には無常(mujo)という言葉があり、常なる状態は 

 一つとしてない世界観があります。

 この世に生まれたあらゆるものは、やがて消滅し全ては留まる事なく

 移って行きます。無常と言う言葉は、仏教から来ている世界観ですが、

 この「無常」という世界観は、日本人の精神性に強く焼き付けられ、

 古代から変わる事なく引き継がれて来ました。

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春の桜や夏の蛍、秋の紅葉等、命あるものは全てほんの僅かな

時間のうちに、その美しさを失って行きます。

日本人は、春になれば桜を、夏には蛍を、

秋になれば紅葉を愛でます。

 (中略)

それは桜も蛍も紅葉も、ほんの僅かな時間のうちに、その美しさを

失ってしまうからです。

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我々は、その一時の栄光を目撃するために、遠くまで足を運びます。

そしてそれらが、ただ美しいばかりでなく、目の前で儚く散り、

小さな灯りを失い、鮮やかな色を奪われて行く事を確認し、

むしろほっとするのです。」

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晩秋の高桐院。

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舞い落ちたもみじを見て、村上さんのお話しされていた

「日本人と無常」と言うお話を思いました。

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《高桐院》

◎所     京都市北区紫野大徳寺町73-1

◎アクセス  地下鉄北大路駅2番出口→徒歩15分。

       市バス1・205・206系統で5分、バス停:大徳寺前下車、徒歩5分。

◎拝観    9~16時 400円

筆者

京都特派員

Akio

京都は平安京の頃から、今に至るまで様々な歴史が残っている町。歴史と季節を訪ねながら京都特派員ブログを、綴って行ければと思います。

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