【食】湘南のおみやげ ☆ しらす
今月の『地球の歩き方』のお題は"おみやげ"。
それでさて、どこから取材しよう?と迷った時、片瀬江ノ島の『浜野水産』さんのしらすがおいしい!というご意見があり、他のしらすと何が違いますかとお伺いしたところ、「とにかくおいしいの!おいしいというだけではダメですか?」ということで、いえいえ、おいしいのであればそれで十分!と早速取材に行ってきましたよ(笑)。
私は小さい頃からしらすが大好きなのですが、しらすのおいしさの違いって何によって決まるのか、特にこれまで考えたことはありませんでした。
『浜野水産』さんの浜野展行(のぶゆき)さんにお話をお伺いしたところ、もちろんどんなしらすが捕れるかにもよるのですが、いかにしらすを傷めずに漁をして、新鮮な状態で港まで連れて帰ってくるか。そしてなるべく早く釜揚げにするかにかかっているとか。
まずは漁の方式なのですが、しらす漁には一艘式と二艘式があり、日本で一般的なのは一度に大量のしらすを捕ることができる二艘式。ただ神奈川は一艘式でしらす漁をしており、まだまだ小さくて繊細なしらすをなるべく傷めずに漁ができるのだそうです。そして水揚げされたしらすはその場ですぐにしっかりと氷を効かせた状態で浜に戻ります。
湘南のしらすは水揚げ量でいうと名産地というほど多くはないのですが、湘南しらすの漁場は黒潮が流れる沖合に向かって大きく開口した相模湾なので、漁場がとても近く、水揚げ後すぐに浜に引き返せるということで、新鮮でクオリティーの高いしらすが水揚げされるのだそうですよ。
ちなみにしらすは生まれてから20〜50日の体調約2〜4センチのイワシの子ども。黒潮にのって沖から入ってくる"春しらす"(4月〜5月中旬)、沿岸で生まれて育った夏しらす(7〜8月)、そして秋しらす(9〜10月)に分けられるそう(1月〜3月10日までは禁漁時期)。
この小さなしらすを捕るための網を見せていただいたところ、まるで洗濯ネットのような白いネットが最終的にしらすを捕るネット。その内側に青いネットを入れ、漁で一緒に網に入ってしまう大きなお魚などを青いネットで取り除き、青いネットの網をすり抜けられる小さなしらすだけを水揚げします。
イワシは自分の子どもを食べてしまう性質があり、今年は沿岸にイワシが多くいたことからしらすが食べられてしまってしらすがなかなか捕れなかったようなのですが、6月中旬を過ぎてようやく量も捕れるようになり、今日(6月29日)はとうとう待ちに待った大漁で、満船で港に入られたようですよ!
取材させていただいた昨日(6月28日)も大漁だったようですが、少ししらすが大きめで浜野さん曰く、これは65点の仕上がりだとか。
しらすは小さい方が苦味が少なく甘みが増すようなので、こればかりはその日に捕れるしらすによってしまうのですが、それでもこだわりのお塩だけを使って丁寧に手仕事で釜揚げにされたしらすは甘くて本当においしかった!
こちらが釜揚げにする釜。
水揚げ量が多い産地では、基本的に水揚げされたしらすは市場に卸され、そこから加工業者さんの手元にわたり、機械化された工場で釜揚げにされるらしいのですが、神奈川スタイルは、しらす漁の漁業者さんが自ら加工・直売されるので、漁の時から最終的な仕上がりのことを気にかけ、できるだけしらすにやさしく漁をしてできるだけ早く入港し、その後丹精込めて加工されるらしく、やはり湘南しらすはかかっている手間暇や生産者さんの想いが違います!
それでも網元さんでしらすを購入する場合は、これだけ手のかかっているしらすも、とてもお安く分けていただくことができるんですよ。
江ノ島の漁場にはしらすを獲られる船が5艘あるらしいのですが、中でも浜野水産さんは港に近いことから、水揚げから加工までの時間がとても短くてすむことが特徴。
今は船を買い換えられて背が高くなってしまったために橋の下をくぐれず、港に上がられるようですが、以前の船(写真に写っているグリーンの船)はこうして海からそのまま浜野水産さんの目の前に停泊されていたので、すばらしい鮮度が保証されています。
そして丁寧に加工されたしらすはこうしてひとつひとつ丁寧にパックされて店頭で販売されます。
しらすは低脂肪で良質なタンパク質やカルシウム、鉄分などのミネラルも豊富で、栄養バランスが良い食材だとか。またカルシウムの吸収をよくするビタミンDやタウリン・ビタミンB1なども多く含まれ、優れた栄養価が期待できるそうですよ。
湘南しらすは釜茹での際のお塩以外に一切添加物が使われていない無添加食材。
水気を軽く切る程度に干したしっとり系の釜揚げしらすと、さらに天日干しにしてさらっとした食感を楽しめるしらす干しがあります。
もちろん鮮度がいいうちにいただいた方がいいのですが、釜揚げやしらす干しを保存する際は小分けにしてアルミ箔に包んで冷蔵保存するか、サランラップで密封して冷凍するのがオススメだとか。
そしてしらすの産地だからこそいただける生しらすについては、できるだけその日のうちにお召し上がり下さいね!
私たちは昨日のランチに"しらすパスタ"。夜は"生しらす丼"にして本当においしくいただきました:D
(あまりにおいしそうで、写真を撮り忘れました!本当にごめんなさい!!!!!)
生しらす、すべていただいてしまって余らなかったのですが、その日のうちに食べきれなかった場合は"100%しらすのかき揚げ"や"生しらすのカリカリ揚げ"にするのもオススメということで、こちらもとても気になります:P
『浜野水産』さんのその日のしらすの捕れ具合などについてはFacebookページでチェックすることができますよ。
朝どれの釜揚げしらすができあがるのは大体朝10時頃。
その日の水揚げ量などによって売り切れてしまう時間はまちまちなので、気になる方はお店に確認された方がいいかもしれませんね。お取り置きも可能だそうですよ。
また遠方の方に関しては、お電話やFaxで発送の注文を受付てくださるそうです。
これからちょうど夏しらすの季節。
湘南のおみやげとしてはもちろん、なかなか湘南まで足を運べない方はぜひ通販で『浜野水産』さんの湘南しらすをご堪能くださいね!
浜野水産
所在地:神奈川県片瀬海岸1-1-5
Tel:0466-22-5931
Fax:0466-22-5661
Facebook:www.facebook.com/hamanosuisan/
(6月お題"お土産")
PS: 湘南のおみやげについては、これからも少しずつご紹介していきたいと思います!
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